2026年06月03日豊臣秀長が生んだ奈良の美——赤膚焼・奈良絵・そして奈良漬け


NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で今まさに注目を集める豊臣秀長。秀吉の弟として大和郡山城主を務めたこの人物が、奈良にひとつの伝統を生みました。それが赤膚焼きです。
奈良を代表する焼き物として400年の時を超えて今に息づく赤膚焼き。その歴史を今日も守り続けるのが、大塩正人窯の九代目当主・大塩正人さんです。
大塩さんとの縁は、今に始まりません。約40年前に出会って以来、互いの仕事と人生を見続けてきた間柄です。その大塩さんと先日、脚本も段取りもない対話の場を持ちました。ただ二人で向き合い、言葉を交わしました。
伝統とは、アピールするものではない
対話の中で大塩さんはこのようにおっしゃいました。
「伝統というものは守るものではない。伝統だけを表にアピールしすぎると、そこでストップしてしまう」
この言葉が深く胸に響きました。
奈良屋本店が25年以上かけて歩んできた道——奈良産野菜へのこだわり、春鹿(今西清兵衛商店)の酒粕のみの使用、添加物不使用、全工程奈良完結、そしてNAIST(奈良先端科学技術大学院大学)との共同研究による発酵食品としての科学的証明——これらは「伝統を守る」という発想ではなく、「伝統を燃やし続ける」という意志から生まれたものです。
40年来の友人の言葉は、奈良屋本店の哲学そのものでした。
奈良絵という、もうひとつの接点
赤膚焼きには奈良絵という絵付けの文化があります。豊臣秀長の時代よりやや後に生まれたこの意匠は、奈良の自然や風物を大らかな筆致で表現した、奈良固有の美です。
奈良屋本店の奈良漬けのパッケージにも、この奈良絵が生きています。
豊臣秀長が生んだ赤膚焼き。その赤膚焼きに息づく奈良絵。そして奈良屋本店の奈良漬けのパッケージに宿る奈良絵。一本の線が400年をつないでいます。
大塩さんの言葉
対話の最後に、大塩さんが自らこのようにおっしゃいました。
「奈良にはいろんな奈良漬けがありますが、私は奈良屋本店さんの奈良漬けが一番だと思っています。使っている野菜、原材料、そして製造方法—全てにおいて奈良屋本店さんが一番です」
これは私が求めた言葉ではありません。約40年という時間をともに歩んできた九代目当主が、ご自身の体験から自発的に語ってくださった言葉です。
これ以上の言葉は、私には見つかりません。
奈良屋本店について
奈良屋本店は創業約80年、奈良県唯一のJAS認定奈良漬メーカーです。春鹿(今西清兵衛商店)の酒粕のみを使用し、みりん粕不使用・添加物不使用・可能な限り奈良産野菜を使用し、全工程を奈良で完結させています。2025年11月にはNAISTとの共同研究成果がアメリカ微生物学会誌(ASM)に掲載され、奈良漬けが発酵食品であることが科学的に証明されました。
動画はこちら https://www.instagram.com/reel/DZEtFyMR5OZ/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==


