2022年09月07日弊店のこだわり
従来、弊店では原料野菜は「生姜」を除き他府県産(徳島・鳥取・和歌山)の国産野菜を使用しておりました。
20年以上前に奈良が発祥とされる奈良漬に奈良で収穫された野菜が殆ど使用されていない事を疑問に感じ、その時から試行錯誤を重ねてまいりました。
そして、「大和高原野菜研究会」様や生産農家様、他たくさんの関係者様のお力添えを頂き、奈良市阪原町及び大慈仙町他において奈良県産原料野菜の収穫が可能となりました。
20年前より「大和三尺きゅうり」、「大和の丸茄子」等の奈良市の伝統野菜として指定されている品種や、地元で生産された生姜、西瓜、白瓜等の原料野菜を優先的に使用しております。
また、2022年からは奈良県産の「ズッキーニ」、「メロン」を奈良漬にするという新しい地元の原料野菜を使った奈良漬の製造にも取り組んでおります。
これにより、「奈良で収穫された野菜を奈良で塩漬けにし、奈良で漬け込む」という “地産地消” のテーマに懸命に取り組んでおります。
しかし、台風などの気象の影響もあり、全ての原料野菜を奈良県産でまかなうのは困難であると思われます。
他府県の生産農家様からご提供頂いている良質な原料野菜も継続して使用しながら地元・奈良県産の比率を高めたいと考えています。
奈良漬は、奈良で始まり約1300年の歴史があるとも云われ、日本を代表する発酵食品の一つです。
また、奈良は日本酒発祥の地という説もあり、「酒粕」は日本酒を搾る時に生みだされるものです。
【奈良の野菜や酒粕を使い奈良で漬け込む】ということは、奈良漬本来の自然な形であると考えています。
弊店では、地元奈良市内の酒蔵様の酒粕も使用し、奈良に特化した自然な形の奈良漬へ立ち戻ろうと事業を進めています。
奈良県観光土産品公正取引協議会による「本場奈良漬」の定義に基づきまして、奈良市内の弊店JAS認定工場(京終工場)にて漬け込み、「粕」には味醂粕を一切使用せずに清酒粕のみを使用しております。
2021年6月1日に施行されました食品衛生法の改正によりまして、奈良市において漬物製造業は「届出制」となっていたものが「許可制」に移行されました。それに伴いまして弊店は奈良市で最初に許可を受けました。
また、2022年に「SDGs宣言」を行い、持続可能な社会の実現のため、弊店で出来る範囲の努力を行っております。(詳細は弊店HPをご覧下さい。)
以上のような事業内容は「ガストロノミー」(食と文化の関係を考察する)という概念にも相通ずるものがあると考えております。
安心・安全・品質管理・大きな枠組みとしてのコンプライアンスの遵守。
味覚・色あい、何よりも奈良で始まった「奈良漬」という食と、その背景にある文化歴史等を念頭に「奈良漬」の自然な形を考え、またそれと同時に、現代の食のニーズにも応えつつ、皆様に喜んで頂ける奈良漬の製造に励んで参ります。
また、その事により奈良の観光、地域の活性化に微力ながら貢献出来れば幸いだと考えています。
現在、弊店は奈良県内の奈良漬メーカーの中では唯一のJAS認証企業であります。
その自覚を持ち、尚一層、品質管理を徹底し、地域に密着した美味しい奈良漬の製造に励む所存で御座います。